どうやら真剣に考え込んでるうちに、話が進んでいたようだ。
「…ごめん、聞いておりませんでした」
あたしが小さく呟くようにそう言うと、シオンは“まぁ、いいか”と言ってニコっと笑った。
「こらぁ!!優衣に謝らせるんじゃないの!!」
べしっと、どこからだしたのかスリッパでシオンの頭を叩く夏生。
「ってぇ…」と呟きながら、シオンは頭をさする。
そんなやり取りをみて、あたしは仲がいいんだな…と思った。
「まぁ、普通に学校生活していればそのうち分かるぜ」
「…む?」
シオンはドヤ顔でそう教えてくれたが、その時のあたしにはその言葉の意味がわからなかった。