心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~

「美遊〜」






教科書を片付けるため廊下のロッカーへ向かうと、親友の真名子(まなこ)がどすんと肩をぶつけてきた。






「わっ、びっくりすんじゃん、真名子」






あたしは顔をしかめたけど、真名子は構わずに、にやにやしながら言ってくる。






「椎名の奴、今日も絶好調だったね!


相変わらず教員いじめ炸裂だったじゃん?


あいつ、黙ってたらけっこうかっこいのに、残念な奴だよね〜」






あたしは盛大な溜息をつく。






「まぁねぇ。



や、あいつ自身はいじめてるつもりなんか全くないんだけどね。


ただ正論を言ってるだけ、みたいな?



ま、そこが面倒なんだけどさ………」






嬉々として(本人はそんなつもりないだろうが、周りから見ると、そうとしか思えない)先生の落ち度を容赦なく指摘していた、あの真っ直ぐすぎる後ろ姿。





それを思い出すだけで、どうにも声がげんなりとしてしまった。