心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~

カナタが道路の向こうから走ってくる。




あたしのすぐ隣に立って、加賀さんを鋭く見つめ、何か言おうとしたけど。






あたしは人差し指を立てて、カナタの顔の前にかざした。




カナタはあたしに視線を落とし、ふう、と溜め息をついてから、こくりと頷いた。




そのまま、半歩さがって、静観の姿勢をとってくれる。







あたしは再び加賀さんの方に向き直った。







「加賀さん。


………もう、こういうこと、やめてください。

困るんです」






「え………。


こういうこと、って………?」






「………こんなふうに、別れたくないとか、そんな話をすること。


あたしに………つきまとうこと」







あたしがそう言うと、加賀さんの顔色がさっと変わった。







「なんだよ、つきまとうって!


俺、そんなつもりは………っ!!」







加賀さんの声が急に大きくなったので、あたしはびくりとしてしまった。




冷や汗が出てきて、頭が真っ白になりかけたけど。







………カナタがあたしの背中にそっと手を当ててくれて、なんとか落ち着きを取り戻す。