心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~

腰をかがめて、ストールをガードレールの柱にかける。






ちらりとカナタを見てみると、あたしが遅れているのに気がついたのか、横断歩道の途中でこっちを振り返っているところだった。





不思議そうな顔をしているカナタに、手元のストールを指差して合図した。





カナタは軽く頷いて、こっちに戻ってこようとしたけど、ちょうど信号が赤に変わってしまった。





止まっていた車が動き出したので、カナタは反対側まで渡り切って、そこで立ち止まってあたしを待つことにしたようだ。







あたしはストールを結び終わって、横断歩道の手前に立った。







カナタがこっちを見ているので、手を上げてごめんの仕草をする。




カナタは微笑んで首を横に振った。






目の前の道路を、たくさんの車が通り過ぎていく。




なんとなく、信号が長いように感じる。




ぼーっとカナタを見つめながら青信号に変わるのを待っていると、突然カナタが驚いたように目を丸くしたのが分かった。






なんだろう、珍しいな。





カナタは慌てたように手を振っている。






その意図が分からず、あたしは首を捻った。