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カナタ様のありがたーーいご鞭撻の甲斐あって、あたしは無事にスギモトの指導を終えて教室に戻った。
スギモトには「以後、気をつけます」って言っといた。
まぁ、運が良ければしばらくは会わないだろーしね。
「おかえり、みーちゃん」
自分の席で、椅子の背もたれに凭れかかることもなく素晴らしく真っ直ぐな姿勢で本を読んでいたカナタは、私が引き戸をがらがらと開く音で振り向いた。
…………ねぇ、カナタさん。
『背もたれ』って言葉の意味、わかってます?
『背』中を『もたれ』かからせるためにあるのが、椅子の背もたれですよ。
なのにこいつときたら、まるで背もたれに触れるのは大罪、とでも言うように、背筋を真っ直ぐ伸ばしてる。
もちろん、授業中もね。
やっぱ変だわ〜。
「みーちゃん呼ぶなって。
さ、帰ろ、カナタ。
帰ってベンキョーだー!!
がんばるぞー、えい、えい、おー!!」
「はいはい、くれぐれも口だけの頑張りにならないようにね」
「わぁかってるって!!」
グラウンドで砂まみれになって走り回る部活生たちを尻目に、あたしたちは、まだまだ青い空の下をのんびり帰途についた。



