*
「………あの、カナタ」
「うん?」
「ありがと、ね………」
「どういたしまして。」
あたしとカナタは、電車のベンチに二人並んで座っている。
がたん、ごとん、という動きに合わせて、身体がゆらゆら揺れた。
隣に座るカナタは、いつも通り、何事もなかったかのようなポーカーフェースだ。
「………ねぇ、よくタイミングよくあんな所に来たね。
図書館の帰りだったの?」
「………まぁね」
「そっか。
ほんとグッドタイミングだったよー。
まじで助かった………」
あたしは素直にお礼を言ったけど、カナタはやっぱり表情を変えなかった。



