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「ねぇ、お美遊さん。
折り入って話があるんですが」
休み時間、どこか芝居がかった調子で、真名子がそう話しかけてきた。
「な、なんでございましょう。
そんな、改まって」
真名子の顔がなんだか真剣なので、あたしも思わず背筋を伸ばす。
「あのね、私、思うんだけど」
なになに、前置きなんかしちゃって。
「失恋の傷には、新しい恋が一番の薬だ、って言うじゃない?」
真名子は長くて真っ直ぐな黒髪をさらりと掻き上げながら、そう言った。
おー、なんだか良いオンナ風じゃないっすか。
あたしは癖っ毛でボブだから、なかなかそうはいきませんぜ。



