心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~

あたしがロッカーの前でしょぼくれてると、誰かが横に立つ気配があった。





「みーちゃん。」





屈託のない声で、あたしの名を呼ぶそいつは。





「カナタ……」




あたしはゆっくりと顔をあげて、そいつを見上げた。





はい、この男が皆さんの注目の的、椎名哉太(しいな かなた)くんです。






ぱんぱかぱーん。





……じゃ、なくって。





カナタは首を少し傾けて、あたしの顔を覗き込んでる。





「みーちゃん、どうしたの?

気分でも悪い?」





いえ、気分じゃなくって、あんたが悪いんですけどね。




……….なんて、さすがのあたしにも言えませんよ。



いくらなんでもね。