芙夏君は立ち去ろうとしたところを一度立ち止まり、またな、と言い直した。
その後は芙夏君の足音だけが図書室内に響きわたった。
またな……か…………また会える日なんてあるのかなー?
心愛が言っていたように、もう何度も会っていることは奇跡なのかもしれない。
だけど、もう図書室にくる機会なんてないんだし…会える保証もない。
まぁ、あんな意地悪男子のことなんてどうでもいいんだけど。
その思いとは逆に、私の中にはお礼を言えなかった事、課題研究の事、だけが心残りになっていた。
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