俺は目を奪われた。

さっきの少し豹変したときの表情とは180°違う、すごく柔らかい、自然な笑顔だった。




変と思われるかもしれないが、
こんなに、素直に顔にあらわれるぐらい、嬉しかったりとか、そういう感情によって、こんなに柔らかい笑顔になる人を初めて見た気がした。



ヤバイ……俺は本当に彼女に惹かれているようだ。




でも、眼鏡を返しただけでこんなに喜ばれるとは思わなかった。




「お前……名前は?」




"白い王子"でない、本当の俺が出てしまって、彼女も少し驚いた様子だった。




「あなたこそ……誰ですか……」




そうか…あの眼鏡女とこの美少女が同一人物ってことは、この美少女も、俺の事を知らないんだな…。