俺がそう言うと、彼女は俺から目をそらした。


何でだ?
そんなに眼鏡かけるのが好きなのか?
ダテ眼鏡にしては、ちょっと、…というか、かなりダサいし……。




そう考えていると、いきなり彼女は口を開いた。




「何も知らないくせにっ、……
あんたには……関係ないっ!!」




彼女の声のトーン、口調が変わった。
いや、変わったというか…
少し怒っているように見えた。



何か気に障るような事を言ってしまったか?
確かにそう言われると余計なことを言ってしまった気もする。
どんな眼鏡をしようが人の勝手だ。




「すまない。
これは返すよ。」




俺は素直に眼鏡を返した。
そうすると、彼女の顔がいきなり綻んだのだった。