「あの……返していただけませんか?眼鏡。」 「どうしてだい?」 「私のだからです」 「これ……度入ってないよね…?」 ふと眼鏡を眺めていて、この眼鏡に度が入っていないことに気がついた。 「微妙に入ってるんです…」 「微妙だったらかけなくてもいいんじゃないかな? こんな分厚い眼鏡、似合う人なんかいないと思うけどね」 まぁ、似合うのは、地味な子ぐらいだろう。 でも……この子は違う。 疑問はなかなか減らない。