「………わかんねー。
ただ…本当にあんな奴に会ったのは初めてだったんだよ…
俺に突っかかってくる女とか、
きちんとお礼を言える女とか、
俺達を知らない女とか…………。」



あいつ……眼鏡女は……俺の色んな事の、初めてなんだよな……。




「完璧に惹かれてるじゃねーか……」





「……なんか言ったか??」



圭馬がボソッと言うもんだから、聞き取れなかった。



「……何も言ってねーよ、鈍感。」



「………は?」




俺が……鈍感?




「何がどう、鈍感だっつーんだよ‼」




「それがわかってない時点で鈍感。

まだわかるのは、蒼要には早いよ。
自分で気づかないと…な」



「はぁ?」




遠くを見ながら話す圭馬は、何を考えているのかわからなくて…
俺は言葉をどう返していいのかわからなかった。