半年くらい前に圭馬から聞いた話だった。
その頃の圭馬は本当にいろんな女の子と遊びまくってた。
毎日違う女が横を歩いている。
それが当たり前だった。
それが半年前からパッタリなくなった。
理由は、"本気で好きになって、守りたいと思える子が自分にできたから。"
それからは、女子と喋ることはあっても、手は絶対に出したりしないし、告白もきっぱり断ってる。
その女の子との出会いも聞いたな…。
街で会って、ナンパか何かされてて困ってた俺らの学園の生徒を助けたとか。
名前も聞かなかったらしいけど。
それで、相手も自分の名前を知らなくて急いでた女の子はお礼を言うなりそそくさ帰ったって…。
…って、言ってなかったか??
「圭馬にとったら、そんな驚く事でもないんじゃ?」
「だって……あの子以外に俺の事知らない人なんているわけねーと思ってたし…」
顔を真っ赤にして話す圭馬が、男ながら可愛く見える。
あー、だめだ。圭馬にこんな事を思う自分に気持ち悪いと思ってしまった。

