「この本とこの本とこの本と…」
「おぃ……」
「あ、私、ぜぇーったい、選ばれてみせるんだから‼」
地味女は俺の呼びかけを遮って、宣戦布告する。
「お、……おぅ、…で、俺の名前…」
「じゃ、私急ぐから、‼」
パタパタパタパタ
「おいっ…」
眼鏡女は、俺の呼びかけを無視って、出口にかけていく。
パタ、
クルッ
何かを思い出したのか、走るのをやめて止まって、俺の方に振り向いた。
名前を聞いてくるのかと思えば、
「ありがとう」
クルッ、
パタパタパタパタ
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