「本当に……ありがとう……」
「「…………」」
「なによ……いきなり」
心愛がためらいがちに話す
「いや、本気で…。感謝してるよ。
こんな誕生日……この家きてから初めてなんだ…。
家族はいつもながらいないし、家に帰りたくなかったよ。
誰もいない静かな部屋に…。
でも今日は違う…。
昔みたいに…バカなことして、汚れて。
リビング入るのに…こんな暖かく、迎えてもらえるのも……久しぶりで…初めてだ。」
「純平………」
「お前らにまた会えて、よかったよ。
本当に、本気で、ありがとう…」
「ばーか、そんな真剣な顔にならないでよ…」
心愛の言葉がつまる。
「本当にバカ。
いつまでも私たちは…友達。親友。」
そう言って前に手を出す心愛。
「そうだよ」
心愛の上に、私も手を重ねる。
そして、2人で純平を見る。

