俺が純平と、神崎と、その頃の珠実を支えてやりたかった。
そうして道を外させないようにしてやりたかった。
俺も……その頃に珠実に出会えてたら、高校で珠実に会うまでのようにひねくれてたりしなかっただろう。





「でも、……。私は高校で芙夏君に出会えてよかった……」





「どうして？」





「確かに早く出会えてたらその頃の私はもっと楽になれたかもしれない。

でも…それじゃダメなんだよ。



今、あの頃を乗り越えて芙夏君に出会えたから、私は芙夏君に恋をした。
あの経験があるから今の私がある。

上手く言えないけど……。
私はいつ出会っていても、芙夏君を好きになっていたと思う。


でも、幼なじみであるよりも、今の方が、絶対芙夏君のこと好きになってる自信ある…」






後ろから抱きしめているからどんな顔をしているのかわからないけど。
ますます可愛いと思ってしまう。
本当に強くなった…。





「私の過去はこんな感じデス」




それが珠実の過去の全てだった。