珠実から聞いた内容は、珠実の前のお父さんの話。
珠実が辛いときに助けてくれたのが純平だった。
生きる希望を失ってた珠実に生きる希望を与えた。
そして2人はそれだけ強い絆で結ばれていた……。
それを、次は家柄が2人を拒んだ。
純平………。
その気持ちは俺にもわかる。
自由な恋愛をできない純平。
財産目当てで女に近づかれる俺。
このときに感じる自分の名字の重み。
何度も捨てたいと思った。芙夏という名前を。
純平だってきっとそうだったに違いない。
途中震えながら話してくれた珠実。
それを頭を撫でて落ち着かせる俺。
珠実の過去と向き合うために。
「私は………。キレイじゃないの……」
犯される。
女の子にとってどれだけの傷になるのだろう。
男子にはわからない重み。
「………。もう少し早く……珠実と出会いたかった……」
「えっ?」
「俺も、お前らと幼馴染になりたかったよ…」