「まぁかけなよ……。」
そう言って純平は自分のベッドに腰掛ける。
私もその隣に腰掛ける。
「全然警戒してくれないんだな」
「へ??」
「いや、ごめん、なんでもない」
昔の純平とは違う…。
自信に満ちた表情を浮かべ、心愛と一緒になって私をからかっていた…屈託のない笑顔を浮かべた純平は……ここにはいなかった。
「あの……名前…」
「あぁ、俺の今の名前は秋月純平。
父親が離婚して、再婚したんだ。」
「そう…なんだ……」
てことは芹澤も秋月も、お父さんの名前じゃないんだ…。
それからずいぶん長く話した。
純平の話した内容は私の想像を絶するものだった。
私と純平の交際をよく思ってない人がいたなんて…。
純平が私の知らないところで脅されていたなんて…。
純平は私のことを…守ってくれてたんだね…。
なんて情けないんだろう。
私は何も知らずに…のうのうと暮らしていたのかと思うと腹が立つ…。

