「家主さんが帰ってくるまで皆で待とう?そうしたらお礼もちゃんと言えるし!」
珠実の親切心はよくわかるんだけど、誰も帰ってこない以前に家にいるから…。
「そーだな、もし空き巣とか入られて裁判とかなったらマジでやばいぞ」
やばいことはわかるけどスケールが大きすぎます、白い王子様…。
「名前はなんなんだ?秋月何さん?」
白い王子の思わぬ問いかけに戸惑ってしまう…。
「き……聞いてないよ……。
話す時間もそんなになかったし…」
白い王子と話してるといつかボロが出そうで怖い
「まぁ下の名前まで聞かなくてもいいか」
やっと折れてくれそうな白い王子。
よし…あとはどうやってここから帰るか…。
「じゃぁ家主帰って来るまで皆で待っとこうぜ?」
「そうしよう!皆でお礼がいえるし!」
白い王子の提案に珠実もノリノリだ。
待って待って待って、帰ろうよ、また日を改めようよ…。
「いや…杉浦も怪我してるし……帰ろうよ」
「だって鍵が……」
私の提案もバッサリ切られてしまう。

