「おい彼氏……心愛起こして……」






「だめ!杉浦触ったらぶつよ!」






彼氏が俺の言葉で手を伸ばすと、心愛の言葉によって動きが止まった。
ブツとか女子が使うなよ…まして彼氏に。
恐ろしいなぁ相変わらず…。





「心愛、マジで人の話を聞け、」





「聞いてないのは純平でしょ!?」





このままでは埒が明かない…。
彼氏もこの怪我の様子じゃ1人で帰れないだろう……。





「また日を改めようぜ?
彼氏も今日は帰らねーと、」





「日を改めるって、嘘じゃないでしょうね?」





なんで俺の言うことが信じられねーんだよ!






「なんで嘘なんかつくんだよ……


おい彼氏、お前のこと送るから、心愛とお前の荷物まとめろ」





俺の上からどいてくれる気配のない心愛。仕方がないから彼氏に指示を出す。





「あ、いや、迎えは呼んでる…
さすがに心愛が俺をかつげねーし…」





遠慮がちに言う彼氏。
なんだ、迎え呼んでるのか、まぁ送る必要がなくなって俺は楽だな。
部屋にいる間に呼んだのだろう。





「よく住所わかったな?」





「あー、窓からの景色的に?」





そんなんで迎えのやつはこの家にたどり着くのだろうか……。


するといきなり心愛が起き上がる。




「ちょっと、迎えってもしかして白い王子じゃないよね…?」