「どうするの?」
「そんなの決まってる、俺は親父についていく」
母さんの目を見てハッキリ言った。
「そんなに珠実ちゃんが大事かしら?」
「珠実とはもう付き合わない。
俺はもう誰とも付き合わない」
覚悟を決めていた。
珠実以上に好きになれる女の子なんてまずできるはずがなかった。
本気で惚れた子だったから。あの子以上に好きになる子なんてできるはずがない。
「そう、確かに誰とも付き合わないって断言されるなら芹澤の名前もあげられないし、ちょうどいいわ」
跡継ぎのことしか考えていないのか…。
俺を子供としては見てくれないのか…。
「中学も変わらないといけないわね、まぁちょうどもうすぐ冬休みだし良かったじゃない。」
そうか、中学も変わるのか、それならもう珠実たちとも顔を合わせなくて済む…。
「出る用意をしとくのよ」
芹澤家を出るとき、それが俺が新しい一歩を踏み出すときとなった。

