家に帰ると、母さんが俺を出迎えた。
俺の世界一大っ嫌いな女。
「何のようだ、邪魔なんだけど」
「あら、本当に冷たくなっちゃって。
あんなにお母さん大好き〜って言ってたのに」
広い玄関で話していると声が響く。
何でよりによってこんなところで話さないといけないんだ。
「純平、別れる覚悟ができたのかしら?
それとも、神崎心愛と付き合う覚悟ができたのかしら?」
どうしてそんな風にしか人が見れないんだ。
俺にとっては珠実も心愛も大事な友達だ。
「お前に俺の未来を決めさせない。
俺は珠実とも心愛とも付き合わない。」
「あら、珠実ちゃん、ふったの。
まぁそれが1番の得策よね。」
「ふったんじゃねーよ、ふられたんだ」
最低なことを言ったのは俺…。
でも俺からじゃねー、ふられたわけでもないけど、ふったつもりも……。
珠実……今頃泣いているのか……。

