「珠実と別れて……」
心愛に静かに告げられる。
別れたくなんかない…珠実…嫌だと言ってくれよ…。
「言われずともそうするつもりでしたよ?」
最後の言葉でしめくくろう。
もう俺に近づいてくるな……。
「珠実、気持ち良かったぜ?
まぁ機会があればまたやろうな?」
すると心愛が限界だと言う風に手をあげるのが見えた。
叩け、俺を憎め、嫌いになれ、好きなだけ殴れ。
パシンっ……。
「珠実!?!?」
心愛が頬を叩く鈍い音が鳴り響いたと思えば、珠実が俺をかばって心愛に叩かれていた…。
何してんだよ…これ以上顔に傷なんか作ったら……。
今すぐ抱き上げて運んでやりたかったけど、俺にはもうできない…
嫌うんだ、最悪な奴と思うんだ…
そうすれば、俺からお前らが離れたら…母さんの目もお前らから離れるから…
俺の世界一大事な人…お前らが……傷つく姿をこれから見たくないから…俺のことを軽蔑しろ…
珠実は叩かれて、気絶した…。
相当ショックだったんだろう…
ごめんな……。
俺はそんな二人をおいて帰ったのだった…。

