「もう忘れられているかと思ったよ…」
「………忘れて……ないよ。
珠実も………忘れてない…」
忘れられるはずがない。
ずっと一緒に過ごしてきてたんだもん…。
あんなことがあるまでは……。
「珠実に話してないんだ？俺のこと…」
「話さないでほしいって言ったのは純平じゃん…」
私は純平がみんなの前から姿を消した後、何度か純平と連絡を取っていた。
純平が珠実を傷つけた日のことは鮮明に覚えているし、今思い出しただけでも、１発殴りたいくらい。
でも純平の切ない顔が、全然満足そうじゃない顔が…私の頭によぎるから…。
私の手を躊躇させる…。
