殴ってる音がするけど、痛くない?
怖々目を開けると、目の前には杉浦を殴っていたチャラ男たちが地面に倒れている。
どういうこと……?
「お前………誰だ……」
チャラ男の中の1番偉そうな人が倒れながら話す。
チャラ男の視線の先には、1人の男子高校生がいた。
「お前らに名乗るほどでもねーよ」
この声……知ってる………。
「ちっ!覚えとけよ!いくぞ!」
チャラ男たちは観念したのか逃げていってしまった。
よかった………。
「杉浦!」
私はすぐさま杉浦に駆け寄って膝枕をする。
「何……泣いてんだよ……ばか…」
「バカは杉浦でじょぉ………」
涙で上手く話せない。
杉浦の綺麗な顔は色んなところが切れて真っ赤に染まっている。
「早く治療しないと……」
でもここから私の家にはまだ距離があるし、第一こんな状態の杉浦を私1人じゃ運べない……。
どうしよう……

