最後に一撃をくらわそうと振りかぶるチャラ男の前に私は両手を広げて立ちはだかる。






「心愛………にげ……ろ……」






杉浦はもう地面に倒れてて立てない状態。
杉浦が何を言おうと、私は杉浦を置いてなんていけない!






「もうやめてっ!
もう十分でしょ?これ以上杉浦を傷つけないで!」






泣き叫びながら、この声が誰かに届かないかなんて考える。
誰か……助けて……このままじゃ杉浦が死んじゃう……






「もう女ごと殴れよ」





「あーいーなそれ、それで終わりだ」







チャラ男たちが口々に話す。





私……殴られるんだ……。
顔に傷残ったりしないかな??
顔の原型がなくなることもあるよね??


どんな顔でも…杉浦は好きっていってくれるのかな?





ふと珠実の事を思い出す。
父親からの虐待の中で出来た右目尻の傷。
そんな珠実を愛してる芙夏。

杉浦も、芙夏みたいに私を愛してくれるかな?






私はきつく目をつぶる。



杉浦が大声で私の名前を呼ぶ声がする。
大丈夫。私は大丈夫……。







バコッ

ボコっ