「きったない手で触んじゃねぇよくそじじぃ!!!!!」
釣りあがった目で痛みをこらえる酔っ払いオヤジに罵声を発する。
この人は…………あの時の……
酔っ払いオヤジは今ので目が覚めたのか、そそくさと帰っていった…。
そうしてぼんやりと立っていると、
フワッ………
「それ…きて?」
着せられたのは男子のブレザー……。
私の学校の生徒……。
この人は……前に駅で私を助けてくれた人だ……また助けてくれるなんて……
そう思って見つめていると涙が出てきそうだった。
「わ!泣かないで!
もう怖くないから、ねっ?」
私が泣いてるんだと思って優しく話しかけてくれる男の子。
もう嬉し涙が出そうだ。
でもこの人が私のことを覚えてくれてるかは別問題……。
きっと私のことなんて覚えてないだろう………でも今日で確信した。
私はやっぱりこの人が好き。
誰かわかった今は今度は私が振り向かせてやる!
「あのさ………君……」
男の子が私に話しかける。

