白い王子に隠れてチラチラ私のことを見てるような…
まぁ気のせいだな。
誰でもいいし。





私と珠実の家は近いから必然的にこのカップルの帰る方向は私の帰宅ルートと被る。

だから先に帰宅することに決めた。





「じゃぁ珠実、先に帰るね!」





「え、でも一人じゃ危ないんじゃ……」





一人は確かに危ないくらい暗いけど、あいにく私には珠実のような彼氏はいないので……。





「大丈夫よ〜!
私を襲う物好きなんてこの辺にいないわよ!」






「でも……」






私が何と言っても不安な顔をする珠実。
もう、そんなこと気にしないで珠実はラブラブして帰ればいいの!






「大丈夫だって!パパッと帰るから!
じゃぁね」





そう言って無理やり会話を終わらせて手を振って教室を出た。






その時、白い王子の後ろに隠れていた人が私に話しかけようとしていたことに気づかずに……。