「あー、まぁね、
仕事とか家のことになると厳しいんだけど……。

イベントごとは好きみたいで力を入れてる……」





どこか悲しそうな芙夏君の表情…。

何が不安なんだろう……。





「頭がキレるぐらいよくてさ、両親。
学生時代は2人とも2桁の順位なんて知らないって人たちだったらしいし、
とにかく完璧主義なんだ。

だから、仕事とか、家柄?とか家計のことには口うるさい…

というか、そこに完璧を求めてる…」






完璧を求めすぎるから、家のことを一番に考えてしまう。
子供への負担よりも今後の家のことが心配になる……。


そんなものなのだろうか。





「薗花が気にしてるのって俺の小さい頃の怪我の話だよな?階段から落ちた。」





「あ、………うん……。
違うの!思い出したくなかったら全然…」





「ううん、そんなことは思ってないって!

ちゃんとさ、心配もしてくれたんだ、
怪我はいたくないか?とか。

でも第一声に家のことが〜って怒られるとは思ってなくてさ。


今思い返せばこうやって、完璧主義だから〜とか言えるけど、
やっぱあの頃の俺にはそんな風に思うことできなくて……。


母さんも父さんも海外出張多くて帰って来ることも少なかったから……。

悲しかったんだろうな……」