「ねぇ、このドレスどう思うー?
綺麗でしょ??美樹さんが選んでくれたの!」
そう言って俺の前で一回転くるっと綺麗に回る。
「あぁ、いいと思うよ」
「もー、もっと他に何かないの?
綺麗だーとか!
本当に女心わかってないんだから!」
女って面倒臭いな。
どう考えても薗花の方が可愛いんだっつーの。
「これはこれは、蒼要君。来てくれていたのかい」
横から現れたのは麻紀の父、大成さんだ。
「ご無沙汰してます」
「いやいや、そんなにかしこまらないでくれ!」
麻紀とは違ってすごくおおらかな人だ。
「おや、隣の方は見ない顔だね」
「僕の彼女です」
「彼女⁉︎」
麻紀が一番に声を上げる。
「挨拶しな」
薗花の耳元で囁く
そして、コクンと頷いて前に出る。
「芙夏君とお付き合いさせていただいてる薗花珠実です!
不束者ですが、よろしくお願いします」
ちゃんと礼儀正しい挨拶だ。
さすが学年トップを競うだけある。
「いやいや、綺麗な方だねぇ……
ドレスも良くお似合いで……」

