地味女と優しい王子の共通点






会場の中にはもうずいぶん人がいた。


挨拶回りをしている人がほとんどだ。




「薗花さんですか?」




「ふぇ?」





いきなり俺ではなく薗花に声をかけるのは誰だ?


顔を見ると街詰家の社長だったな…
あ、そういえば、薗花がメイドしたとこか?




「社長さん!お久しぶりです!」




「薗花さんも来ていたんですか、驚きました……
⁉︎

これはこれは、芙夏蒼要様、無礼をお許しください…」





「いや、大丈夫ですよ!」





「芙夏様のお連れ様でしたか、
薗花さんには随分とお世話になったものでしたので…」




「聞いておりますよ。
うちの薗花がお世話になりました」




「っ……//」





隣で薗花が赤面してるのがわかる




「これは紫苑の出てくる隙間もありませんね。
では私はこれで……」




「さようなら」





「……………うちのとか……やめてよ」




街詰さんがどこかにいくやいなや、薗花が小さくつぶやく。




「嫌だった?」




「知ってるくせにぃ………意地悪…」





こういうとこが可愛いんだって…ばか