「薗花………俺………薗花に初めてあったとき、なんだこいつって思った。
俺のこと知らないやつとか初めてだったし、
自分を飾らないで素を出して話してくれるやつとか初めてだったし、
俺自身が自分を隠さずありのままでいれたのは薗花の前だけだった。
過去の話とか親友以外にしたことなかったし、家族の話なんかもちろん……。
今まで色のなかった俺の学校生活に……今まで色のなかった俺に色を与えてくれたのが薗花だったんだ!」
芙夏君が私の手を掴んで一生懸命話してくれる。
「私もだよ……。」
芙夏君が驚いた顔をする。
「私も……芙夏君にたくさん助けてもらった……。
苦しかった過去の記憶。
思い出したくない日々の記憶。
前に進めなかった私の背中を押してくれたのは芙夏君だったよ。
忘れることなんてできない過去だけど、今はそれを乗り越えれたと思ってる。
だから私はメガネとかで自分を隠さずに素を出せてる。
全部……芙夏君のおかげなの」