そうしてやっと芙夏君が顔を上げた。

近いけど。





「紫苑って奴にやられたときもそんな声出してたの?」





「そ……そんな声って……//」






恥ずかしい……確かにそういう経験は全然ないけど……。






「これで俺のものって印だから。
忘れないでね?」





忘れないでって言われても……。
別に私たちは付き合ってるわけでもないわけですし……。






「…………そんな顔するなよ」






そう言って私の顎を掴んで下を向いている私の顔を芙夏君が上げさせる。


見つめてくる芙夏君の瞳に誘惑されてるみたいで…目が離せない。





「何が不安?嫌だったの?」





不安……というか……私たちの関係は何なんだろう……。

嫌か嫌じゃないか。
芙夏君のことが好きなんだもん。

触れられて嫌なわけ……ないよ……。



けど…それが私の一方通行な思いなんじゃないかって……図々しい思いなんじゃないかって思っちゃう……。