芙夏君の喋り方はまさに猫を被っているような声で、いつもの俺様な喋り方よりもトーンが少し高い気がする…





「私は…カチューシャが欲しいなぁ……」




「どのカチューシャかな?」





「…………」





さすが百貨店、品揃えはバツグンで、たくさんのカチューシャが並べられている。



相手のお嬢様がどんな人かわからないからなんとも言えないけどなぁ…


というか私の欲しいもの言っちゃった…。





「あ、」




「どうしたの?」




「あの時計…かわいい!」





そこにあったのは女物の腕時計だった。
ベルトはお花の形をしたパーツが並んでいる物ですごく可愛かった。





「これがいいと思います!」





「へー、腕時計ですか…。
束縛グッズみたいで気になるけどまぁいいですか、」





…………





「嫌だ……その喋り方………やめて?」





「どうしてですか?」





「…………芙夏君との間に距離ができちゃった気分…」