私は芙夏君のいる集団を速足で抜き去ってすぐに教室に入った。
すると、心愛が自分の席に座っているのを見つけた。
「あ!たま!おはよー!」
心愛の席から入口にいる私までの距離はそう遠くないのに大声で呼ばれるから恥ずかしい。
「おはよう、声が大きいから……」
私はすぐさま心愛の座る机のそばまでやってきた。
「ごめんって、それでさ……………たま?」
「?」
確実に今から何か話そうとしていた心愛がいきなり会話をやめた。
何?
心愛は私の顔をじーっと見てる。
「たま……あんた……泣いたの?」
ギクッ………
朝起きると腫れぼったくなっていた目。
それを治そうとちゃんと冷やしてきたのに、心愛にはバレるんだ。

