「もっと視野を広げなさい!
ほら、あそこの広瀬さんみて」
心愛が指差したのはクラスでも目立つグループにいる広瀬さん。
学年で可愛いとも評判。
どんな人に対しても平等に接してくれるいい人。
「ほら、あの子の腕。見てみて?」
目を凝らしてみてみると……そこにはカッターで切ったような傷跡が多くあった。
もう結構古いものだけど。
「あの子もね、両親が離婚と再婚繰り返してたの。
それで結構悩んだりして、荒れた時期もあったんだって。
でもね、そんなの隠さずに、今は前だけ向いて生きてるんだよ‼︎」
広瀬さんの傷は私の目尻の傷よりも目立つはず…。
なのに隠さずに皆の輪の中で過ごしてる…。
自分に大きな傷があるからどんな人にでも優しいのかな…。
「広瀬さんって…すごいんだね」
「でしょ⁇
今でもやっぱりたまに言われるんだって。
でも今はその傷のことも踏まえて、ちゃんと自分を理解してくれる彼氏がいるから何にも負けない。
って言ってた。
珠実も一緒でしょ⁇」
芙夏君も…簡単に…そんな傷気にしなくていいって言ってくれた。
私にはその言葉が嬉しすぎたよ。

