芙夏君がいなかったら…。
私はこの目の傷とこれからどう向き合って行けばいいかわからなかった。
今ではなんともないただの傷と思える。
父親のことだって、思い出さないようになった…。
全部芙夏君のおかげ…。
なんだろう、すごく胸が温かい。
「2人とも辛い過去があるってことね、
昨日の話を聞いている限り。」
芙夏君が泣いたことを言っているのだろう。
「で、珠実はどう思ってるの?」
「……………は?」
「そこまで色んなことされて、さすがに何も思ってないことないでしょ?」
「え、どういう意味?」
心愛がニヤニヤしながら話す。
顔は可愛いけど正直気持ち悪い…。
あ、この胸の温かみとか痛みのこと、心愛ならわかってくれるかも!
「心愛……最近ね…すごく、芙夏君を見たり、目が合ったり、触られると…………胸がキューって痛くなるの…。
これって何⁇」
心愛は私が言うとポカーーンというように口を開けて驚いている様子。
心愛さん、顔が………。

