薗花を家まで送り届けたついでに、思わぬことに食事をいただくことになった。
どうせ家で待っているのは家政婦たち。
俺が帰ってきたらご飯を作る家政婦たちにとってむしろ俺が帰らない方が仕事もなくて楽だろう。
ということで何も考えず薗花の誘いにのった。
が、それが間違いだった……。
誘われたご飯を断ればよかった。
誘われた風呂を断ればよかった。
薗花を家に送ってすぐに帰ればよかった。
今日、この日は、俺には刺激が強すぎた…………。
薗花の家にきて、初めて体験することが多すぎた。
まず、帰ってきて温かく迎えてくれる家族。
俺は帰ってきても家政婦たちしかいない。
薗花の家は違った。
俺をすんなり受け入れてくれたお母さん。
娘のことが大好きすぎるお父さん。
なんて温かい家庭なんだろう。