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「お世話になりました。
お風呂まで入らせてもらって、本当にありがとうございました。」
お風呂から上がった芙夏君は、髪を乾かし、体の火照りがなくなってきたところで、帰宅することになった。
最後にはお父さんが泊まっていくか?とまで聞いたが、さすがに芙夏君もそれは断った。
「気をつけて帰るんだぞ。男だからといって油断してはいけない」
「はい」
お父さんの言葉に大きく頷いて返事をする芙夏君。
もう泣いていたときの弱さは感じられない。
「蒼要くん……これ……」
「えっ…………」
お母さんがさっきもう一度台所へいって作っていたもの、これだったんだ……。
お母さんから芙夏君に、
今日の残りの小さなハンバーグがいくつかと、
さっき作ったであろうお母さんの肉じゃが、
そして、卵焼きと唐揚げとソーセージ。
お弁当の定番と言えるおかずが入ったタッパーが渡された。
「これ………は………」

