「………珠実も…1人でご飯を食べる辛さ……わかるわよね?」
そんなの……痛いほどわかるに決まってる。
いただきますと言っても誰も返してくれない。
ご飯の味なんて全くしない。
1人のご飯はとても長く感じる。
「なら……今の蒼要くんの気持ち…………わかるわよね⁇」
うん……痛いほどわかるよ…。
「無理にとは言わないから…なるべく帰りが一緒になったらうちに連れてきてあげて。
お父さんがいないときは私たちも少し寂しいでしょ?」
そう言うとお母さんは何かの準備をしに台所へ向かった。
芙夏君はどんなことを考えながら日々過ごしているんだろうか。
いつも強気な芙夏君の弱味を握ってしまった気分。
でも全然嬉しくない……。
芙夏君には……笑っていてほしいよ…。

