「一番初めにここで会ったときに本を教えてくれたのは芙夏君。

私、芙夏君と会わなかったら、こんな結果残せてなかったもん。

だから芙夏君が最優秀賞とったとき、自分のことのように嬉しかったの。

それで、私の名前がよばれて…すごく……嬉しかったの……。」




こんな風に感謝して、喜んでくれている薗花がとても愛おしく思う……。

これが…これが…………''恋''……?





「私がむしろ感謝してるくらいだよ?芙夏君……」





自分の手をソファについて、俺を見下ろす薗花。

今までにないくらいの笑顔が見えるはずなのに、なぜ眼鏡で距離をとる?



俺はすかさず薗花の長い三つ編みをほどき、眼鏡をとってソファの下に落とす。




「んっ……」





サラサラの綺麗に茶色に染まった髪をすいてやると、くすぐったい感じで顔をゆがませる薗花。