「はっ⁉︎」
紫苑様が最後に言いたかったことってそんなことなの⁉︎
私がスッポン……。
確かに月とスッポンじゃぁ私はスッポンだけど‼︎
なんでこのタイミングでそんなこと言われなくちゃいけないの⁉︎
「あっ今のはっ……」
うろたえる紫苑様。
あんなのただの悪口じゃない!
「紫苑様なんかっ………紫苑様なんか…………」
「違うって!ただの愛情表現だろ‼︎」
焦っているみたいだけど全然フォローになってないし‼︎‼︎‼︎
「紫苑様なんて嫌いっ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
「珠実‼︎」
紫苑様が呼んでいるのを無視して、私は廊下を足早に進んでいった。

