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「珠実!」
廊下を歩いているとふと呼び止められた。
この声は……。
「茉由様!」
明るい笑顔でまだ制服のまま、
社長室から出てきた私の方に向かって私の方に歩いて来る茉由様。
「今日でお別れなんですってね。
お父様から聞いたわ」
「はい、残念ですが、今日までのようです」
「いつでも遊びに来なさい。あなたなら大歓迎よ」
初めは少し怖いイメージだった茉由様も今ではすごく優しい人にしか見えない。
「お料理のお勉強、これからもがんばってください」
「ええ、また教えに来て欲しいわ」
お嬢様に頼まれたら教えにこない訳にはいかないよね!
「もちろんです!
いつでも飛んでいきます!」
「ありがとう」
茉由様はそう言って微笑むと、自室に戻って行かれた。

