「手の早い息子で悪いね。
まぁ僕に似たってのもあるかもしれないが…はは、」
そう言って笑う社長さんは少し子供っぽく見える。
「さぁ、行こうか。ついて来てくれ」
そう促され、長い廊下を社長さんの後ろについて歩いていく。
今思えばよくあんな廊下のど真ん中で恥ずかしい声をあげれたな……
まぁ紫苑様のせいだけど!
そんなことを考えているうちに、今まで来たことない、廊下の一番端っこの部屋のドアの前に来た。
この部屋は暗証番号とホックキーがないと入れないみたいで入ったことがなかった。
ここが社長さんの部屋だったんだ……。
社長さんの取り出したロックキーと、打ち込んだ暗証番号で部屋の扉が開いた。