「悪いね、うちの息子が……
あぁ…キスマークまで付けられて…」
「き、……キスマーク⁇」
「そいつキスマークのこと知らねーし、それにうなじに付けたのは俺じゃねーし」
社長さんの言うキスマークがわからない私。
そして、言い訳にしかなってない紫苑様の不貞腐れたようなせりふ。
「それとこれとは関係ないだろ、
本当に悪かったね、珠実さん、……
珠実ちゃんでいいかな?」
「はいっ!」
笑うとどことなく茉由様の笑顔に似ている。
いや、茉由様が似ているのか。
「珠実ちゃん、この後少し僕の部屋に来てもらってもいいかな?」
社長さんの部屋に呼ばれるなんて……
「はい。」
「じゃぁ紫苑、先に部屋に戻れ」
「はいはい、」
社長さんに命令され、仕方なく戻っていく紫苑様。
本当にさっきはびっくりした……。

