バチコーーーーーーーーーーーン‼︎‼︎
「いってぇぇぇーー‼︎‼︎‼︎」
大きな音と同時に叫ぶ紫苑様。
そして音と同時に解放される私。
さりげなく紫苑様と距離をとる。
「バッカモーーーーーーーーン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
廊下中、いや、家中に響き渡るようなドスの効いた声で紫苑様を怒鳴りつけるのは……
紫苑様のお父様、社長さんでした。
「メイドに手なんて出しやがって!
何て小汚ねぇ息子なんだ‼︎」
私が見てきた優しい社長さんが嘘のよう。
「俺が誰に手をだそーが、親父に関係ねーだろ‼︎‼︎‼︎‼︎」
「この子はうちの大事な社員の大事な娘さんだ、お前が手を出していい相手じゃない‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
その言葉に紫苑様も何も言えないようです…。

