ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
芙夏君とも図書館で別れ、私はいつも通り街詰家で働きます。
ただいま着替え中……。
で困ったことに……。
「胸元が開きすぎてて、紫苑様に付けられたあとがかくせないよー!」
無造作にある胸元の赤いあと。
こんなの他の人に見られるなんてっ……無理!
でも仕事だし……仕方ないよね……。
邪魔にならないように髪をアップにまとめて、部屋を出る。
もうすぐ紫苑様たちも帰ってくる頃だし、先に晩御飯の準備でもしようかなー……
何て考えていると、
ガシッ
「いたっ、」
誰かに後ろからきつく腕を引っ張られた。
「し……紫苑様……」
後ろを振り向くとそれは紫苑様で、目を見開いて私のうなじを見ていた。
「何このあと…………」
紫苑様の効いたことのない低い声が廊下に響く。
「珠実って付き合ってるの?」
「まさか!」
なんでこんなことばっかり聞かれるんだろう、こんな地味なやつが付き合えるわけないじゃん!

