久々な感覚で図書館6階のドア。
開けると予想通り誰もいなかった。
そりゃぁそうだよね、別に待ち合わせをしているわけではなかったし。
「また日が当たってて気持ち良さそう……」
いつも座るイスにはまたいい感じに日が当たっていて眠気をそそる。
変装がばれた日のことが思い出される…
来るまで寝ておこうかなー…
来たら起こしてくれるよね?
なんて思っていると……
ガチャ……
「えっ……薗花?」
「あ!芙夏君!
何かお手伝いできることあるかな?」
やっと登場しました、芙夏君。
まぁいって、チャイムが鳴ってから10分しか経ってない。
「手伝いに来てくれたんだ?」
「うん……いらなかった?」
芙夏君の反応が鈍過ぎて不安になる私。
「嬉しい、ありがとう」
不安を吹き飛ばすような芙夏君スマイルで、私は安心した。
「座ろうか」
そう促されて、机を境に向かい合うように座る。