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お庭に出ると、テラスのイスに腰掛ける圭馬様がいた。



「遅くなってしまい申し訳ありません…。
御用とはなんでしょうか?」



すると圭馬様は下げていた顔を上げて口を開く。




「たまちゃん、君のコーヒー、おいしかったよ」




「は、はぁ……」




わざわざそんなことを言うために呼んだのだろうか……




「君、僕の家に働きに来てたよね?」




「は、はぁ…………へっ⁉︎」




ニヤリ


圭馬様は口元を上げて勝ったかのように私を見て笑う。




「コーヒーの味が同じすぎるんだもん」




さすが好き嫌いがはっきりされているだけ味には敏感なんだろうか。



「ご飯を作ったのも君だろう?

家で食べた味と同じ味がしたよ……」




見透かしたような圭馬様の目は私を責めているようにも見えたが、
すごく優しい目だった。